2015年3月25日水曜日

暗号通貨の基礎知識(デメリット編)

前回では

・不正されにくい
・データのお金

なんてことをご紹介しましたが、だからと言って100%安全か?というとそういう訳ではありません。

今回は暗号通貨の危険ゾーンについてご紹介しようと思います。





Mt,GOX事件



現在の暗号通貨を取り巻く環境の中で、最も大きく取り上げられているのが、セキュリティに対しての問題です。

たしかに、コンピューターに書き込まれているコインの数量を不正に改ざんして、さもたくさんのコインを手にしたように見せかけたとしても、すぐに修正されるのですが、もしも、財布(=ウォレット)そのものを盗まれてしまったらどうしようもありません。

My,GOX事件とは、まさにそんな点を突かれたために起きた事件だと言われています。

MtGox事件総括(4/6/2014時点) | 日本デジタルマネー協会 / ビットコイン / Bitcoin

My,GOXの事情に通じている関係者のほとんどが、「まるで煙のようにコインが消えて無くなった」「最後の瞬間までまるで気づかなかった」と語っています。

どうしてそんな事になってしまったのか?そのキーポイントは、公開鍵と秘密鍵に隠されています。

公開鍵と秘密鍵


コインの財布(=ウォレット)を手に入れるということは、メールアドレスを作ることに似ています。あなたのメールアドレスならぬコインアドレスを発行すれば、そこにコインをしまえるようになりますし、相手に教えてあげることで送ってもらえるようにもなります。

このコインアドレスのことを、公開鍵と言います。

当然ですが、作ったあなたには当たり前のように財布の紐を開くことが出来るんですが、実は開くためには常に鍵を必要としています。
あなただけにしか触れないようにプログラミングされたこの鍵のことを秘密鍵といい、どの財布にも特定の操作をしなければ表示されないように設定されています。

この秘密鍵を誰かに知られてしまえば、その誰かがあなたの財布を自在に開け閉め出来るようになります。

これがMt,GOX事件の本質的な原因になった、と言われています。
(内部の人間が引き起こしたというワケですね)

また、秘密鍵を知られてしまったためにあっさりコインが盗まれてしまった有名な事件があります。

テレビでBitcoinのQRコードを映したら即座に盗まれるという事件が発生 - GIGAZINE

このような事にならない様に、財布(=ウォレット)の紐は文字通りきっちりと締めておきましょう。

財布が消えてしまう!?



もしも、あなたの暗号通貨を保管しているパソコンが壊れてしまったら、保管していたコインはどこに行ってしまうのでしょうか?
それはあなたの壊れたパソコンの中なので、特殊な方法で救出しない限り、永遠にコインを取り戻すことは不可能になります。データのお金なので、保存しているハードディスクをなくしてしまえば、それでオシマイという危険があります。

そうとは知らず、時価数億円のコインを保管したハードディスクを捨ててしまったニュースが話題になった事があります。

7.7億円分のビットコイン捨てちゃった!英男性が埋め立て地を捜索 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

バックアップがあれば復旧も可能ですが、それすらもない、となれば途方に暮れるほかありません。
しかし、データのお金なので、バックアップを取る以外にも方法はあります。
たとえば、オンラインサービスとして提供されているオンラインウォレットを使えば、いつでもどこでも利用が可能になります。入出金に手数料を少し多めに必要とする場合がほとんどです。
企業として管理されているサービスなら、個人のパソコンよりは安心できるかとも思いますが、これまた完全に信頼できるか?と問われれば、現状では絶対とは言い切れない状況と言われています。

また、オフラインウォレットとしてスマートフォンを使ったサービスもあります。ただ、ブロックチェーンのデータサイズには注意が必要で、Bitcoinのデータサイズは年々肥大化が進んでおり、10GB以上の空き容量を必要とする可能性があります。

ブロックチェーンを読み込まないタイプのウォレットもありますが、そのタイプは基本的にデータをオンラインで管理していることになるので、安全性としてはオンラインウォレットと同等と考えられています。

最後に


良い面がたくさんあって、使うためのインフラが整っていくに従って、より高い需要が考えられる暗号通貨ですが、まだまだ発展途上の技術である事は間違いありません。

クレジットカードのように手軽には使えませんし、現金のようにオフラインでは利用できません。また使えるところも限られていて、支払いには相手が受け取るまでのタイムラグがあることが当たり前です。

しかし、使うための環境や管理するための環境が整えられ、様々なツールが生み出され、多くのサービスが整っていけば、インターネットの通信販売だけではなく、あらゆる場面で暗号通貨はそのポテンシャルを如何なく発揮してくれるでしょう。


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